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産後の腱鞘炎・手首の痛み

腱鞘炎って?

「けんしょうえん」

という単語を聞いたことがない人はいないかと思います。

 

しかし、

漢字で書ける人は少ないのではないでしょうか?

 

腱鞘炎は主に手首で起きる障害で

字の通り「腱鞘」が「炎症」を起こしている状態です。

 

・・・これだけを言われてもピンとこないと思います。

 

 

順を追って説明しますね。

 

「腱鞘」

腱を包む組織です。刀を収める鞘(さや)のような役割を果たすので

腱の鞘=腱鞘

と名付けられています。

 

腱というのは体中にたくさんあります。

一般の方には「スジ」と呼ばれることが多いです。

 

産後の腱鞘炎は

「ドケルバン病」

と呼ばれるものがほとんどです。

※変わった名前ですね

 

産後で障害が出る腱は親指を突き立てた

「イイね!」

のポジションをした際に、親指の付け根~手首にかけて浮き出てくる腱です。

 

産後の腱鞘炎の説明写真

黄色で示した部分です。

 

この部分で腱を包む、腱鞘に炎症が起きてきます。

 

身体の組織はぶつけたり、捻ったり、使いすぎたりなどで傷つくと

 

・腫れる

・熱っぽくなる

・痛みが出る

・赤みがかってくる

・動きが悪くなる

 

という症状があらわれ、これらを総じて炎症とよびます。

※医療の現場では「炎症の五大兆候」と呼ばれます

 

 

手首の腱鞘炎では親指を握りこんで、手首を小指側に傾ける動きで痛みが出ることが、とても多いです。

 

フィンケルシュタインテストと呼ばれて、整形外科や接骨院で良く行われている検査です。

フィンケルシュタインテスト

このような形で、赤いところで強い張り感や痛みを訴えます。

 

つまり、この動きで痛みが出たあなたは残念ながら腱鞘炎を発症していると思われます。

 

 

 

何故痛くなる?

腱鞘炎の痛みの仕組みはご理解いただけたでしょうか?

 

では、なぜ炎症が起きるのでしょうか?

以下の原因が合わさっていると考えます。

 

①抱っこ、授乳での使いすぎ

②睡眠不足

③鉄分不足

 

それぞれを深堀していきましょう。

 

 

①抱っこ、授乳での使いすぎ

 

「これは説明を聞かずとも分かる」と思われますよね。

「分かるけど、抱っこはしなくちゃいけないから、どうしようもない!」と。

 

しかし、抱っこのやり方って実は千差万別です。

特に、手首の捻り方・捏ね方は違ってきます。

 

赤ちゃんの頭を支えるためとはいえ、

手首を親指側・小指側へ過度に傾けたまま使ってしまったり・・・

手のひらをとにかく天井に向けるように捻じってしまったり・・・

 

 

手首の負担はほんの少し角度を変えるだけでも大きく軽減します。

実際に自分の手を動かしてチェックしてみてください。

 

例えば、イイね!の手の形のまま手首を親指側・小指側に傾けようとすると・・・なかなか動かせません。

対して、野球ボールを優しく握るような手の形で同じ動きをすると・・・動きますよね。

 

こんな風に「いつもと同じ抱っこ」から少し手の形や、腕の向きなどを変えるだけでも腱鞘炎の原因を大きく減らすことが出来ます。

 

 

②睡眠不足

 

「これも分かっていますが、どうしようもありません!」

そんな声が聞こえてきそうですね。

確かに、こればっかりは赤ちゃん次第。

 

眠る時間が短ければ、身体が自己治癒力を働かせることも出来ません。

 

お昼にどれだけ赤ちゃんを疲れさせるか・・・そこがカギになります。

 

 

③鉄分の不足

 

「産後は貧血になりやすい」と聞いたことがある方も多いはず。

母乳もあげているので鉄分が不足して、鉄欠乏性貧血になりやすいのです。

この鉄分、実は腱鞘炎を治すためには必須な栄養素です。

栄養を取らずに身体を治すことは不可能です。

 

所沢市公式HPより抜粋
所沢市公式HPより抜粋

上記の食品を意識して摂取するだけでも、回復が大きく変わってきます。

 

 

実際の治療・アプローチ

当院では産後の腱鞘炎の患者様が来院されると、エコーでの検査を行います。

 

エコー検査というと胎児検診、内臓の検査でのイメージが強いと思いますが、最近は整形外科の分野でも多く使われるようになってきています。

 

特に、今回の腱鞘炎ではレントゲン検査をしてもほとんど意味はありません。

骨に異常はないことが多いからです。

 

対して、エコーを使う事で腱・腱鞘・関節の炎症度合いを可視化することが出来ます。

 

その他の検査も含めて、

「当院で対処可能」

「クリニックでの治療が適応」

かを判断していきます。

 

多くのケースでは当院で対処可能です。

ざっくり説明すると当院では以下のような処置をしていきます。

 

・超音波や低周波の機器を使って患部の炎症を抑える

・周囲の固まった筋肉を緩めて動きをよくする(必要なら手首~肩・背中まで)

・日常のダメージを減らすためテーピング、サポーター、生活指導、ストレッチ指導

 

これらを一ヶ月程度継続することで多くは完治となります。

 

 

クリニックに紹介をするケースとしては

 

・炎症が強すぎてまともに動かせない

・動かすときにカクカクと引っかかりが強い

・2か月程度リハビリしても改善が見られない

 

などです。

 

クリニックでは提携先を紹介させていただき、ドクターのご判断で処置をしてもらいます。

多くの場合は

ステロイド注射、生理食塩水注射

を処置してもらいます。

 

特にステロイドは即効性が凄いです。

 

 

「なら、何故最初から紹介をしないのか??」

 

ステロイドは効果が高いのですが、腱自体が弱くなってしまうデメリットもあります。

なので多くの病院でも半年~一年の間を空けないと連続で打ったりはしません。

合計で3回以上は絶対に打たないという先生もいます。

 

なので、出来る限りは注射を使わない当院の処置で解決を目指していきたいです。

 

 

【当院での治療費】

保険適応) 1.000円/回程度

保険適応外)2.000円/回程度

 

※保険の適応範囲は症状や、痛みの出た時期によっても異なるためお問い合わせください。

※産後ケア・骨盤矯正で通院中の方は別の料金のご用意があります

 

 

きしざわ接骨院

岸澤

 

 

 

【診療時間】

平日:9時~12時半 14時半~19時半

日曜:9時~15時

休診日:金曜午後・土曜・祝日

 

※完全予約制ですが、骨折などの緊急性の高い外傷は優先して診察します。

 

【院情報】

きしざわ接骨院

〒336-0907

埼玉県さいたま市緑区道祖土(さいど)3-5-20

TEL   048-711-3448

MAIL kishizawaseikotsu@gmail.com

 

駐車場2台

自転車は院の前にお停めください

 

管理責任者 岸澤裕太