I. 野球肩とは何か?

野球肩、あるいは「投手肩」とも呼ばれます。これは特に野球選手やクリケット選手など、投げる動作を頻繁に行うスポーツ選手に見られる肩の障害です。肩の構造を理解するためには、その解剖学的構造を知ることが重要です。

肩は体で最も可動範囲が広い関節で、球状の上腕骨の頭と肩甲骨の骨盤が接合して形成されています。これらの骨を一緒に保つためには強力な筋肉と靭帯が必要で、これらの筋肉と靭帯は「ローターカフ」と呼ばれます。ローターカフは肩の安定性と可動性を維持します。

野球肩は、繰り返しの投げる動作によって、肩関節周囲の筋肉、靭帯、腱が過度にストレスを受け、損傷し、炎症を起こす状態を指します。具体的には、上腕骨と肩甲骨が正常に動かない(動きが制限される)状態となり、痛みや不快感を引き起こします。

II. 野球肩の種類とその原因

野球肩は主に三つの種類があります:インピンジメント症候群、腱板炎、そしてSLAP損傷です。

  1. インピンジメント症候群:これはローターカフや肩関節の滑液包(関節をスムーズに動かすためのクッション)が、上腕骨と肩甲骨の間に挟まれて炎症を起こす状態を指します。

  2. 腱板炎:これはローターカフの一部である腱板(四つの肩の筋肉が一緒になって形成される筋膜)が炎症を起こす状態を指します。これは、特に過度の使用や繰り返しのストレスにより引き起こされます。

  3. SLAP損傷:これは肩関節の唇(関節を安定させるための繊維軟骨)が損傷する状態を指します。特に、肩関節の上部(上唇)が損傷することを指し、これは強力な投球動作により引き起こされます。

これらの障害は、繰り返しの投げる動作や不適切な投球フォーム、そして十分な休息を取らないことにより引き起こされます。また、適切なストレッチングやウォームアップを行わないことも要因となります。

III. 野球肩の治療法と予防法

野球肩の治療は、まず痛みと炎症の管理から始まります。これには、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、冷却療法、そして安静が含まれます。さらに、肩の筋力や可動範囲を改善するための物理療法やリハビリテーションエクササイズも重要です。

予防法としては、適切な投球フォームの習得、適切なストレッチングとウォームアップの実施、そして十分な休息が含まれます。また、若年層の選手に対しては、投球数の制限やピッチングの種類(例えば、スライダーやカーブなどの投球は肩に過度のストレスを与えるため、成長期の選手には推奨されません)の規制も重要です。

IV. 当院での野球肩の治療

当院では、野球肩の治療に対して、まず痛みと炎症を和らげることに焦点を当てています。これには、手技療法や物理療法が含まれます。さらに、患者さんの肩の筋力と可動範囲を改善するための適切なリハビリテーションエクササイズの指導も行っています。

また、当院では投球フォームの見直しや、適切なストレッチングとウォームアップの方法の指導も行っており、再発の予防に努めています。

野球肩による痛みや動きの制限に悩んでいる方は、ぜひ当院へご相談ください。私たちは、あなたが再び快適に投球できるよう全力でサポートします。

 

【診療時間】

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※完全予約制ですが、骨折などの緊急性の高い外傷は優先して診察します。

 

【院情報】

きしざわ接骨院

〒336-0907

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管理責任者 岸澤裕太