13歳 男性 バスケット部
屋外の練習中に転倒し左手を着いて受傷。
母親より連絡を受け翌朝、診療時間前に急患対応。
「痛いけど生活するには大丈夫」
「ねんざかな」
という訴え。
しかし、患部のまわりで
腫脹(+)可動制限(+)掌側に溢血(+)手指のむくみ(+)
これだけでも、かなり骨折が疑われます。
さらに、
骨折の固有症状である
限局性圧痛(++)軸圧痛(+)
※押すとピンポイントだけ物凄く痛がる様子
※患部を直接触らず、掌の方から圧をかけて痛がる様子
エコーにて検査を実施。
【検査結果】
ハッキリと骨輪郭の異常が見られました。
骨折と判断し、整復と固定を実施。
患者さんには仰向けになって頂き、タオルを肘の上に掛け術者はそれを両足で踏んで肘から上が動かないように固定します。そして両手でしっかりと骨折した部分を把持して垂直に引っ張り、十分に骨が動いたところで掌側に傾けます。
その後にシーネで手首から肘までを固定し、三角巾で腕を吊りました。
提携クリニックへ紹介状を作成し、対診を依頼。
【医師の診断結果】
左橈骨遠位端骨折
本来はほぼ真っすぐなはずの骨が急に出っ張っていますね。
これも骨折になります。
骨折と言うと木の枝が真っ二つに割れるようなイメージを持たれる方が多いと思いますが、このようなパターンもあります。
レントゲン画像と比較すると、エコー画像がかなり正確に骨の輪郭を映していたことが分かります。
骨の出っ張り具合も全く同じ描写です。
レントゲンがない接骨院の臨床では、エコー検査が必須になります。
その後のリハビリにも医師から同意を頂き、当院でも加療することになりました。
【その後の治療】
一ヶ月半ほどシーネ固定が続きました。
その間は出来るだけ多く通院して頂き、骨の回復を急速に早める骨折用の超音波LIPUSを照射。
また、固定中も筋肉が少しでも落ちないようにするために下半身のマシントレーニングも実施しました。
経過を追うためにエコーでも状態を確認。
徐々に段差が埋まり、骨が真っすぐになる様子が良く分かります。
固定除去後は少しずつ運動を再開。
強い拘縮もなく順調に可動域訓練も進み、無事にバスケットに復帰されました。
きしざわ接骨院
岸澤