とても久しぶりになってしまいました。
院長の岸澤です。
なんだか毎日いろいろなことに追われるうちに、気付いたら全く更新をしておりませんでした。
いろいろなご報告と、2026年5月からの変更についてお伝えしたいと思います。
【変更について】
まずは、何が変わるのかについてお伝えしていきます。
端的に申し上げますと
『健康保険の取り扱いを辞め、実費施術のみとなります』
・・・もっと簡単にすると
『保険が使えなくなります』ということです。
窓口での料金が上がる方もいらっしゃいます。
「なぜそんなことをするのか?岸澤はお金の亡者なのか??」
と思われてしまいますかね。
そうではないです・・・必要な分と、少しの贅沢ができるくらいはもちろん欲しいです(笑)
ここから長くなってしまいますが、お付き合いいただけますと幸いです。
まず、
「接骨院」とは保険を用いて患者様に手当、応急処置をすることができる施設です。
ただしそれは『純粋なケガ』に対してのみになります。
イメージとしては、ぶつけた、ひねったなどで傷め、湿布と包帯を巻きたくなるようなケガです。
それ以外ではぎっくり腰、寝違い・・・くらいになります。
整形外科や病院と比べて保険適用の範囲はとても限定されています。
どちらとも言えない微妙なラインももちろんあります。
そこを拡大解釈して、何にでも保険を使っている接骨院があるのも事実です。
私はそれが本当に嫌で、独立してからは厳格に保険の取り扱いを行ってきました。
全く土地勘のない中で開業し、知り合いはおらず、地名も読めず・・・
そこから始まり、真面目に(自分で言うのは痛々しい)患者様と向き合い、ケガを処置し、クリニックへ紹介し、リハビリをする。
それを9年間続けてきました。
今では近隣の整形外科さんとも連携が取れるようになり、クリニックの先生とも食事をさせてもらえるくらいの信頼関係を築くことができました。
これって、なかなか稀有なケースなんです。
その中で技術も本気で磨いてきました。
休みの日に安くないお金を払って何日も何日もセミナーを受けて、
本を買って治療の合間に読んで、
昼休みも食事をとりながら動画教材を見て学ぶ。
それが幸せだったし、『理想のセラピスト』としての在り方だと今も考えています。
何が言いたいかというと・・・
それくらいの信念をもってルールを守り、接骨院を運営してきました。
ただ最近になって、なかなかそのような在り方を貫けなくなってきました。
6年前から法人化して始めた福祉事業。
『接骨院の患者様から聞いた様々な悩みを、治療以外の方法で解決できるようになりたい。』
『医療介護福祉、人が人を直接支援する事業でチャレンジしてみたい。』
そんな思いからスタートさせました。
2021年に始めた障がいをお持ちの方向けの『グループホーム部門』。2026年の現在は6棟になりました。
2025年には困りごとをお持ちのお子様を対象とした『児童デイサービス部門』。
2026年、今年は学校などに直接支援員を派遣する『保育所等訪問支援部門』。
学童の跡地を譲り受けて児童デイサービスの第二教室。
秋には『訪問看護部門』の立ち上げ。
事業展開するために素人だった経営について学びに行きました。
事業内容についても深く知るために視察にも多く行くようになりました。
事務所も立ち上げ、事務員さんに入っていただき、レクチャーをしながら業務改善するためのソフト導入やアプリ開発、社内の制度作りをする必要が出てきました。
さらに、近隣小学校のPTA会長のお役を2025年からお預かりすることになりました。
家に帰れば4人のわが子たちと最愛の奥さん、二匹の猫。
最高に充実して幸せな日々です。
が、本当に時間がなくなりました。
院にいる時間、外で仕事をする時間の調整が全然できない。
院を閉めてばかりの時期が続きました。
『すみませんが、その日はお休みをいただいておりまして・・・』
スケジュール管理しきれず予約をブッキングさせたり、出張のところに予約を入れてしまっていたり・・・
何度、電話越しに頭を下げたかわかりません。
【周囲の人を豊かにする、子供たちに尊敬されるような格好良い父親になる】
これが私の人生ビジョンです。
そこに向かって進み続けている実感はあります。
ただ、
『セラピストとしての一流の業をして、研鑽を重ねる』
その時間が全く取れない。
これは揺るぎない事実でした。
【現場を任せられるレベルのセラピストを採用する必要がある。】
ずっと分かっていたことですが躊躇し続けていました。
『自分と想いを共有してくれる、しかも実力もある人なんているわけない』
と思い込んでいたからです。
「想いと実力、両方持っている人」はまずいない。
高望みせず
「想いはあるけど、実力はこれからな人」
なら良いかと言ったら、そんな人でも探すだけでも時間的にきついし、そこから育てる余裕は全くない。
『自分はいつまでも一人治療院のオヤジでいたい。セラピストは雇用しない。』
『周りは絶対無理というけど、自分は一人治療院をしながら事業展開ができるはず。』
独自の価値観で動いてきた結果がこれでした。
勉強熱心で時間があれば一人でも多くの患者さんを診る。
数年前まではできていた
『理想的なセラピストを体現できていた岸澤』
からどんどん遠ざかっていく・・・
『完全に事業展開の順序を間違えた。』
八方ふさがりになっていました。
そんな時に、話がまとまったのが2月から入職してくれた田中先生です。
実は田中先生とは数年前から交流がありました。
・・・というか、お子さんがケガをすると当院にいつも連れてきてくれていたのです。
田中先生は理学療法士であり、国家資格を持ったセラピストです。
医療従事者に頼ってもらえるのは本当に名誉なことでもあります。
お子さんに付き添いで来院された際は治療についてお話をしたり、リハビリプランについて共有したりしていました。
『まじめでしっかりしたお母さんでもあり、良いセラピストさんだな~』
という印象を持っていました。
それなのに、なぜずっと声を掛けなかったのか?
接骨院は保険適用で施術をするには「柔道整復師」という国家資格が必要だったからです。
患者様の身体を同じように扱わせてもらうので、一般の方からしたら
・マッサージ師
・理学療法士
・柔道整復師(これが一番マイナー)
・整体師
の違いなんて分からないと思います。
ここでは詳しいことは割愛しますが、とにかく接骨院で働くなら原則的には「柔道整復師」が必要なのです。
『今探しているのは、私が不在の時もメインで働いてくれる柔道整復師』
だから残念だけど、一緒に働くことはないと思っていました。
お互いに・・・
しかしながら、様々な制度を調べ、保健所にも問い合わせたところ
「保険を用いなければ、管理者の柔道整復師(私)が不在であっても理学療法士が接骨院で施術して良い」
というご回答をいただきました。
『想いも共有できるし、人柄も知っている。技術も最低限は持っていそう。これは・・・アリか!?』
テンション上がりました。
この時点では私は田中先生とは意見交換などをしていただけなので、「知識」をどの程度もっているのかまでしか
分からず、「技術」については全くの未知数でした。
『知識がしっかりあって、技術は最低限を持ってくれていれば、隙間でなんとか教えることができる。』
そう判断して、田中先生と面談をさせてもらいました。
この時点では別の場所に勤務中です。
すんなり進むことはないと思っていましたが・・・すんなり進みました。
「きしざわ接骨院なら是非」と。
田中先生のお子様は小さなころからサッカーをしていて、ケガも多く繰り返していました。
その都度、当院を頼ってくれていたわけです。
その中でも特に印象深いエピソードが
彼が小学校6年生の秋。
試合中に相手選手と接触して右膝を受傷。
当日、当院は休診で別の接骨院へ。
打撲とのことで処置を受けたそうです。
しかし2カ月たっても痛みが引き切らない。
心配されて当院へ来てエコー検査をしたところ
「膝蓋骨骨折」(ひざのお皿の骨折)
の疑い濃厚。
即、提携先クリニックへ紹介。
結果はやはり骨折。
しかも受傷から2カ月経っており、手術しないと厳しいかもしれないとのこと。
ご存じでない方も多いと思いますが、さいたま市でこの近辺は浦和レッズの影響もありサッカーがとても盛んです。
小学生でも少年団とサッカースクールを掛け持ちして、中学生になったら部活に入らずクラブチームに進む子がほとんど。
そのクラブチームには早ければ小6の春からセレクションが始まります。
夏以降はそれが激化。
つまり、本気でサッカーをするなら小6はとても重要な時期なんです。
ここで離脱は仕方なしにしても、手術してさらに復帰が未定なのは本当にまずい。
一度コースを外れると、その先の道は険しさを増します。
復帰を早めるために来れる日は毎日通院して超音波などの施術。
院が年末年始休診になってしまう時は、機械を貸し出して家で処置を続けるように指示。
固定の巻き直しのやり方をレクチャー。
田中先生は家でメッチャ頑張りました。
・・・結果として、彼は手術を回避して無事に復帰。
現在は長野のサッカーエリート校に入り、寮生活をしながら頑張っています。
書いていて改めて思いましたが、マンガみたいなエピソードです。
治療家冥利に尽きます。
そんなエピソードもあり、田中先生は当院のことを信頼してくれていたようです。
『少しでもお役に立って、恩返しできれば・・・』
の言葉が本当にうれしかったです。
そこからは本人の希望を聞き、方向性のすり合わせをしていきました。
そして、2月の入職となり、初めて技術を確認させてもらいました。
(面談時にやるべきだろう、という意見はご遠慮ください)
正直、驚きました。
メッチャ良い。
私の身体を見てもらったのですが、指摘や視点が鋭い。自分では分からなかったことを教えてくれるのです。
私はフルマラソン3時間半を切り、ベンチプレスも調子が良いときは100kg挙げています。
ちょっとした自慢です。
それが恥ずかしいことに、彼女に指示された簡単な動きや姿勢がとれない。
何の重りも使っていないのに、四つ這いで理想的な重心の位置にすると手を挙げることもできない。
プルプルと小鹿みたいに震えてしまう。
すごくきつい・・・
だけど、その修正エクササイズが終わると身体がすごく動かしやすい。
『あぁ・・・こういうのオレもやりたかったんだよな』
と心から思いました。
ベッドの上での固まった筋肉や関節への施術、矯正も大事。
だけど、身体の使い方へのアプローチも同じくらいに大事。
前者は私も得意分野でしたが、後者に関しては田中先生の方が明らかに優れている。
そして、勉強熱心。
バックヤードにある私が買い集めた医療関連書籍の山を見て、とても喜んでくれる。
暇あれば読んでいる。
数年前の自分のように、とにかく治療に熱心に、本気で向き合っている理想的なセラピスト。
『やはり、院を任せるならばこの人しかいない』
私の持っている技術と知識を伝え、田中先生が存分に力を発揮できる環境を整備する。
それが、この院にとって一番理想的な未来。
そう決断しました。
色々書きすぎてしまいましたが、大丈夫でしょうか?
なので、この決断となりました。
最初に戻ります。
『健康保険の取り扱いを辞め、実費施術のみとなります』
これこそが当院ができる、地域の方への最良の選択だと信じております。
ちなみに・・・私もまったく現場に出ないわけではありません。
出られる時は極力、現場に出ます。
ただ、以前ほどは出ることができないのは事実です。
『岸澤に診て欲しい』
という声は本当にありがたいです。
が、一度で良いから田中先生にも診てもらってください。
きっとご納得していただけると思います。
これからも、きしざわ接骨院は院内のリソースを最大限に使い、最高のパフォーマンスを出せるように努めていきます。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
株式会社HOPE
代表取締役 岸澤
※今回の文章はできるだけ一般の方にも分かりやすくするために、制度などを簡単に記載しております。同業者からの細かい突っ込みはご遠慮ください。