第1回 夏に勝つスポーツ学生のコンディショニング

こんにちは!
きしざわ接骨院、理学療法士の田中美香です。
部活動やクラブチームで毎日汗を流している
スポーツ学生の皆さん、
そして日々のコンディショニングを支えている
保護者の皆様、毎日お疲れ様です!

日本の夏は年々暑さを増しており、
スポーツ環境は過酷になる一方です。

そんな中、
アスリートとして高いパフォーマンスを維持し、
ケガなく安全にプレーを続けるために、
絶対に軽視できないのが「水分補給」です。

「喉が渇いたから飲む」では、
実はもう遅いということを知っていますか?

今回は、
スポーツ学生が知っておくべき
正しい飲水習慣について、
科学的な視点から3つのポイントに絞って
徹底的に解説します。

1. 脱水の恐怖:「喉が渇いてから」では遅い科学的な理由

私たちの身体の約60%
(ジュニア〜ユース世代の学生では
約65〜70%とさらに高い)は
水分でできています。

筋肉は特に水分を多く含んでおり、
なんと約75〜80%が水分です。

つまり、水分が不足することは、
筋肉が本来の力を
発揮できなくなることに直結します。

体重のわずか2%の水分喪失で、
パフォーマンスは急低下します。

運動によって汗をかき、
体重の2%の水分が失われると、人間の身体には以下のような変化が現れます。

☑持久力の低下、疲労感の増大
☑判断力、集中力の低下(ミスが増える)
☑体温調節機能の低下
(熱中症のリスクが跳ね上がる)

体重60kgの選手であれば、
わずか1.2kgの体重減少です。

真夏の練習であれば、
1時間足らずで簡単に失われてしまう量です。

さらに水分喪失が3%超えると、
強い喉の渇きだけでなく、
ぼんやりしたり、
足が攣(つ)ったり(筋痙攣)、
頭痛やめまいが引き起こされます。

「喉が渇いた」と脳が認識した時点で
すでに脱水は始まっています。

そのため、水分補給は
「渇く前に、計画的に、先回りして飲む」
鉄則なのです。

2. 1日の飲水スケジュール:運動前・中・後のベストタイミング

水分補給は、

練習中だけ頑張っても意味がありません。

 

朝起きてから寝るまで、

一日の流れの中で身体を

「常に潤った状態(ウォーター・ローディング)」

にしておく必要があります。


① 起床直後と三度の食事
起床直後:

コップ1杯(約200ml)を飲みましょう。

人間は寝ている間にもコップ1〜2杯分の

水分を失っています。

まずは血液をサラサラにし、

内臓を目覚めさせます。


三度の食事:

食事からも多くの水分を摂取しています。

朝食・昼食で、

味噌汁やスープなどの汁物をプラスすると、

水分と同時に「塩分(ナトリウム)」

自然に補給できるため、

熱中症予防に非常に効果的です。

 


② 運動開始の「2時間〜30日前」の先回り補給
ここが非常に重要です。

運動直前に大量に飲むと、

胃がタプタプして動きの邪魔になります。


運動の2〜3時間前

500ml程度(ペットボトル1本分)を、

時間をかけて少しずつ飲む。


運動の15〜30分前:

200〜250ml(コップ1杯〜1杯半程度)

を補給し、運動開始時の体液量を満たしておく

 


③ 運動中と運動後のリカバリー
運動中:

15〜20分に1回

訪れる休憩ごとに必ず1回につき

100〜200ml(2〜3口〜数口しっかりと)

飲みます。

喉の渇きに関わらず「決まり事」するのが鉄則です。


運動直後:

運動前後で体重を測る習慣をつけましょう。

もし運動後に体重が1kg減っていたら、

減った体重の約1.2〜1.5倍

(1kg減なら1.2〜1.5リットル)の水分を、

運動後数時間かけて少しずつ補給します。

一気に飲むと尿として出てしまうため、

こまめに飲むのがコツです。


就寝直前:

睡眠中の脱水を防ぎ、

翌朝の疲労感を軽減するために、

寝る前にもコップ1杯(約200ml)

摂取します。

3. 水分補給の「質」:自発的脱水を防ぐ適切な温度と塩分

ただの「水」を大量に飲むだけでは、

逆に体調を崩すことがあります。

これを「自発的脱水」と呼びます。


汗をかくと、

水分と一緒に「塩分(ナトリウム)」

体外へ排出されます。

 

その状態で真水だけを大量に飲むと、

血液中の塩分濃度が薄まってしまいます。

 

すると、脳は「これ以上血液を薄めたくない!」

と判断し、

喉の渇きを止め、

余分な水分を尿として出そう

してしまうのです。

 

結果として、

水分を飲んでいるのに脱水が進むという

最悪のループに陥ります。


水分補給の重要な3条件
☆塩分(ナトリウム)

含まれていること

運動中は、

100mlあたり40〜80mgのナトリウム

(食塩相当量として0.1〜0.2g)

含まれている飲料が理想です。

一般的なスポーツドリンクはこの基準を満たしています。


糖分が適度に含まれていること
糖分(炭水化物)は、

腸管での水分の吸収スピードを早める役割

持っています。

また、運動中のエネルギー源にもなります。

 


☆飲料の温度は「5〜15℃」がベスト
冷たすぎる水は胃腸に負担をかけますが、

5〜15℃(冷蔵庫から出して少し置いたくらい、

あるいはクーラーボックスで冷やしたもの)は、

胃から腸への移動が最も早く、

体内の深部体温を下げるクーリング効果も期待できます。

 


【周囲の大人がチェック!】

子供の脱水を見抜く3つのサイン
学生自身は集中していると、

自分の身体の異変に気づかないことが

よくあります。


サイン1:

おしっこの色が濃い黄色や茶色っぽくなっている

(透明〜薄い黄色が健康)。


サイン2:

足がよく攣る(つる)、

筋肉がピクピクする。


サイン3:

口数が減る、

動きが急に悪くなる、生あくびが出る。


これらは熱中症の初期症状の可能性があります。

すぐに涼しい場所に移動させ、

水分と塩分を補給させてください。


🍃今日のまとめと次回🍃
スポーツ学生にとって、

水分補給は「休憩時間のオマケ」

ではなく、

「パフォーマンスを左右する

トレーニングの一部」です。


喉が渇く前に、

2時間前から先回りで飲む!


運動中は15〜20分おきに、

1回100〜200mlを義務化する!


真水だけでなく、

塩分と適度な糖分を含んだ

5〜15℃のドリンクを選ぶ!


これを徹底するだけで、

夏の練習後半のバテ具合や、

試合終盤の集中力が劇的に変わります。

 

ぜひ明日からの

部活動で実践してみてくださいね。


さて、

スポーツドリンクと一言で言っても、

お店にはたくさんの種類が並んでいますよね。

 

ラベルをよく見ると

「アイソトニック」「ハイポトニック」

という文字が書かれているのをご知っていますか?


次回(第2回)は、

この2つのドリンクの決定的な違いと、

それぞれのポテンシャルを最大限に引き出す

「最強の飲み分けタイミング」

について解説します!お楽しみに!